鹿児島県 出水・福ノ江浜
日本で唯一とも言われる
「湾全体で無酸処理」の海苔
鹿児島県出水市の小さな漁港で、わずか10名ほどの生産者が守り続ける、昔ながらの海苔養殖。
海苔養殖で一般的となっている「酸処理」を行わず、自然に寄り添った方法で育てられています。
酸処理をしない理由
海苔の「酸処理」とは、海苔網を酸性の薬剤で洗浄し、病気の原因となる細菌や他の藻類を抑える方法です。
効率よく生産できる一方で、海への負荷や、海苔本来の風味への影響も指摘されています。
出水の漁師たちは、
「自分たちの海を汚すものは使わない」
という想いを大切にしています。
海苔が育つ、理想的な海
背後に広がる紫尾山・矢筈岳の広葉樹林から、栄養豊富な水が福ノ江浜へ注ぎ込みます。
遠浅の美しい海と豊かなプランクトン。
出水は、海苔づくりに理想的な環境として知られています。
太陽の光で、ゆっくり育つ海苔
海苔は海の中にいる時だけ成長します。
干潮時には太陽の光を浴びながら、自然の力で健康に育ちます。
それでも効率より「安心」と「味」を大切にし、手間を惜しまず育てられています。
車エビが教えてくれたこと
かつて一度だけ、周囲と同じように酸処理を行った年がありました。
その年、地元の車エビ漁師から
「車エビが全滅した」
という声が上がったのです。
それ以来、出水では「海を守る海苔づくり」を守り続けています。
『美味しんぼ』でも紹介
漫画『美味しんぼ』101巻「食の安全」にて、福ノ江浜の伝統的な海苔養殖が紹介されました。
わずかな生産者で守り続ける、貴重な海苔として描かれています。
灯を消さないために
近年は海の環境変化により、海苔も車エビも収穫量が激減しています。
漁師たちの高齢化も進み、厳しい状況が続いています。
それでも、
「この海を未来へ残したい」
その想いで、今日も海苔づくりを続けています。
※自然環境に寄り添った養殖方法のため、収穫量には限りがあります。
※お一人様10点まで